電極寿命について

 アイフェイズの基本は,温度計測であり温度センサーです.装置のタイプによって,熱電対,サーミスター,感温抵抗,赤外線センサーを使いわけております.一番破損しやすいのは,M3(旧 1u)の下部にある小さなサーミスターです.アーム落下衝突,フィラーが刺さる,経時変化摩耗などが原因です.これはぎりぎりまで研磨しているためです.上手に使えば一年以上は持ちますが,反対に1週間ということもあります.使い方・頻度・試料の種類によって大きく違います.堅いフィラー入りの複合系が一番の苦手です.修理に戻ってくる大半が無数の無機フィラー・カーボンファイバーが刺さった状態です.割れやひびが入っているものは交換になります.手作りのため高価なものとなりますので,できるだけ長持ちさせるため,とりあえず再研磨しています.長持ちさせるこつには,出荷時の標準状態に加えて市販ラップで上下に貼るなどもあります.当然感度はおちますが,有効です.品管に使うなら,時々貼り替えて,ベースライン取り直せば問題ありません.
 温度可変型は収縮膨張による劣化破損も問題です.電極を削り過ぎないようにしていますが,その分感度が落ちています.ヒーター側は比較的丈夫ですが,やはりフィラーで薄膜抵抗膜が穴だらけということもあります.抵抗がましてヒーターとして発熱量が増え,温度波が強くなることもあります.基本は長持ちします.