環境問題と装置の省エネ

 環境問題として,二酸化炭素問題と地球温暖化に注目が集まる傾向にあるが,世界のあちこちで発生している大規模山火事(埋蔵石炭火災)に比べると,身の回りの省エネなど,わずかな様に感じられもする.だが,省エネは本質的に重要事項であり,こつこつとした積み重ねが肝要でしょう.
 アイフェイズ社では,とかく聖域になりがちな測定機分野にあっても,省エネには設立当初から真剣に取り組んできた.主力機であるモバイル1,現M3などは,USB電源で駆動できるという画期的なマシンである.温度可変型でも5W程度で,熱伝導測定装置としては並ぶものがない低電力を実現している.第一,切手程度の試料を100キロ超の装置で測るのはギャグに近い.
 省エネマシンは,故障もすくない,小型化できる,安全であるなどの副次的な効果も期待できる.保管も使用も省スペースである.これらも広い意味で省エネにつながる.もともとの測定対象が,省エネむけ断熱材であり,効率化をめざす電子材料なのであるから,検査機もまた省エネ指向でなければ環境問題への提言を行う資格がえられないのではないか.